| 2000年11月01日 |
| 出光ユニテック、レンジ用包材向けに吸水シーラントグレードを発売 |
| 2001年度8億円の売上目指す |
| 【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：出光ユニテック |
出光石油化学の100%子会社である出光ユニテックは1日、不織布の新製品として、吸水性とヒートシール性を兼ね備えた吸水シーラントグレードとして、「ストラマイティMK」を開発、新たに上市した、と発表した。電子レンジ用包材に適した製品として、2001年度には8億円の売上を目指す考え。 同社は、独自の加工技術と出光石油化学の樹脂設計技術をベースとしたスパンボンド不織布として、今年4月には、ヒートシール可能な積層不織布「ストラマイティMN」、6月には孔のない高防水透湿積層不織布「同透湿グレード」を上市し、販売は好調に推移している。 今回開発した新製品は、(1)良好なヒートシール性:ベースの不織布に、シーラントフィルム原料として多く用いられるLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を使用、自動整袋充填機によるヒートシールが可能、(2)良好な吸水・吸油性:パルプ製吸水紙により吸水性や吸油性を有しているため、内容物の余分な水分や油分を吸収、(3)電子レンジ適性:電子レンジ加熱時の結露や余分な水分を吸収し、内容物の風味を保つ、(4)耐薬品性、安全性:食品包材に関する規格に合致した原料のみを使用、接着剤も使用してない、(5)環境対応性:有害ガスを発生する原料を使用していないため焼却が容易、などの特徴を有している。 これまで吸水機能と自動包装機にかけることのできるシール性を両立した素材がなく、家庭用レジ袋やスーパー、コンビニ、ファーストフード向け店内包装用袋としての限定的な使用にとどまっていた。しかし、今回の新製品を、表基材フィルムとラミネートすることにより、電子レンジ加熱時に余分な水分があると食味や風味が損なわれる、焼きおにぎりやライスバーガー、フライドポテト、から揚げなどの食品向けの、電子レンジ加熱用包材のラミネートシーラントを検討している。 先日開催された包装資材関連の展示会「東京パック」でも、コンバーターや食品メーカーなどから数百件を超える引き合いがあり、6社とは商品化に向け具体的な取り組みを進めている。同製品の価格は1平方メートル当たり40~100円。製造は月産100万平方メートル能力の設備で行い、来春頃のフル稼働を目指しており、2001年度には8億円規模の販売を目標としている。 なお、出光ユニテックは、今年4月の設立以来、年内に10品目の新製品の上市を目指していたが、今回の新製品が12品目となり、さらに近く大型の新商品の発表を予定している。 <参考1>ストラマイティMKを使用したライスバーガー用包材 <参考2>吸水複合グレードの構成 |