2014年09月18日
味の素、ロイシン高配合必須アミノ酸の効果確認
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:味の素

味の素は、同社独自配合のアミノ酸素材である「ロイシン高配合必須アミノ酸混合物」(LEAA)が、運動により筋肉が損傷した際の筋力低下からの早期回復に有用であることを明らかにした。この成果は、9月19日から長崎県で開催される第69回日本体力医学会で発表する。

LEAAは、同社独自配合のアミノ酸素材で、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の一つであるロイシンを高配合し、合計9種類の必須アミノ酸を組み合わせた素材である。タンパク質の材料となる必須アミノ酸に、その一つであるロイシンをさらに高配合することにより、筋タンパク質の合成をより向上させることができる。
今回は、LEAAの摂取により、どのように筋力の回復が促進されるか、また、どのように筋肉の損傷に作用するかについて研究するために、運動によって筋肉が損傷し筋力が低下した動物モデル(ラット)を作製し、評価試験を実施した。

その結果、運動直後の筋力は運動前の約3分の1まで低下し、その後徐々に回復したが、LEAA摂取群では対照群に比べてこの回復を早める結果を示した。また、運動1日後に、筋肉の損傷度を示す血中のクレアチンキナーゼ(CPK)値が上昇したが、LEAA摂取によりこの増加を抑える結果が示された。

さらに、LEAAが筋肉の損傷をどのように作用するかを明らかにするため、運動を負荷した筋肉の組織切片を作製し解析を行った。運動3日目に対照群では筋肉組織内に多数の炎症細胞の浸潤を認め、炎症が生じていることを観察した。一方、LEAA摂取群では、この細胞浸潤が少ないことが観察された。

以上の結果から、運動により筋肉の損傷を生じ、筋力の低下を起こした際、LEAAを摂取することで筋力低下からの回復を早めることを確認した。また、筋肉の損傷を抑える作用の一部として、筋肉の炎症を抑えることが示された。