2014年10月03日
住友化学、太陽電池パネル向け新規封止シート用材料を開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:住友化学

住友化学は3日、太陽光パネルの出力が低下する“PID現象”を抑制し、髙い透明性を持つ太陽電池封止シート用EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂)を開発したため、「スミテート」(商品名)の新規グレードとして本格販売すると発表した。

太陽光メガソーラーの導入が進う中で太陽電池の出力が低下する“PID現象”が顕在化し対策が求められている。これまで封止シート用EVAは、酢酸ビニル濃度(VA濃度)を低下させてPID現象抑制に対応してきたが、一方で封止シート自体の透明性の低下が発電効率に悪影響を及ぼすことが課題となっていた。

今回、開発した「スミテート」は、PID現象の原因である封止シート中のイオンの移動を抑えることができる。外部機関でテストした結果、従来のグレードは太陽電池の発電量の低下率が94%だったのに対して新グレードは2%と大幅改善した。

同技術を高VA濃度のEVAに適用することで、PID 現象の抑制と高い透明性が両立でき、発電効率の向上につなげる。ことができる。とくに高い発電効率を要求されるメガソーラー向けに有効となる。

住友化学はこれまで、太陽電池封止シート用材料市場向けに「スミテート」を安定提供してきたが、今回、新規グレードを開発したことで、ラインナップ拡充を図る。

<用語の解説>
■PID現象とは:Potential Induced Degradation の略。太陽電池を高電圧下で長期間使用した場合に、パネルの中をイオンが移動することによって劣化が生じ、出力が大幅に低下する現象をいう。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1412302701.pdf