2000年10月31日
旭硝子、世界初の自動車フロントガラス用「低反射ガラス」「撥水ガラス」開発
トヨタ車に採用、「ドライバーに前方見やすく」
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭硝子、トヨタ自動車

 旭硝子は31日、ドライバーにとって前方が見やすくなった画期的な自動車用フロントガラス2種を開発した、と発表した。
 1つは光の反射によるダッシュボードの映り込みを抑えた、「低反射ガラス」(商品名『エグゼビュー』)、もう1つは、雨による視界低下を防ぐ「撥水ガラスシステム」(同『ウエルビュー』)。低反射ガラスは8月に発売されたトヨタセルシオに、またウエルビューは10月24日に発売されたトヨタマークIIにOEM仕様として採用された。いずれも世界初の商品。運転者にとっては「これにより、くっきりとした前方視界が得られる」と同社ではいっている。
 低反射ガラスには複雑な膜構成を必要とし、コストや耐久性の面で自動車用途には用いられなかったが、同社は独自のガラスの表面処理技術と光学設計技術によって、低反射性能と高い耐久性を併せ持ったフロントガラスを開発した。
 撥水ガラスは同社とトヨタ自動車、アスモの3社共同で開発した。市販の撥水剤に比べて耐久性に優れたリペア(後加工)用撥水材料の独自開発にも成功しており、今後はOEMとリペアを組み合わせた撥水システムを提供していく方針。
 雨天時には街灯などの光がガラス表面で乱反射し、前方が見えにくくなる(フラッシング現象)ことが多いが、同社の撥水ガラスはガラスの表面を水滴が滑りやすく、また微小水滴の発生を抑えたことでこの課題を解決した。