| 2014年11月26日 | |
| 十倉住化社長、15年度の中計目標達成に自信 | |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学 |
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住友化学の十倉雅和社長は26日記者会見し、現行中計(2013-2015年度)の進捗状況について、「最終年度の2015年度には売上高(2兆4000億円)、営業利益(1400億円)、経常利益(1500億円)、純利益(900億円)とも目標が達成できる見通しになった」と今後の事業展開に自信を示した。発言要旨は次の通り。 2014年度の予想は売上高2兆3200億円、純利益450億円だが、前提として為替レートを1ドル80円と想定していた。当社の場合1ドル1円違えば20億円の差になる。20ー30円の円安に振れればそれだけで純利益は400-600億円増加することになる。純利益の目標900億円の達成は期待できる。 今後は事業ポートフォリオを高度化し、(1)スペシャリティ領域の事業拡大(2)バルクケミカル領域の事業再構築に経営戦略の重点を置く。 「スペシャリティ領域事業」では、情報電子化学部門の柱である偏光フィルム、タッチセンサーパネル、リチウムイオン二次電池用セパレーター各事業の充実強化に力を入れる。健康・農業関連事業部門も重要で、ニューファーム社との米国での農薬販売提携を機にさらなるシナジーを追求するほか、種子処理事業の拡大、ポストハーベスト、バイオラショナル事業の拡大に努める。コメ事業への進出を本格化し、5年後には売上高100億円をめざす。 「バルクケミカル事業の再構築」では、内外の事業環境変化に対応するため千葉工場のエチレンプラントを停止するほか、日本オキシランを停止する。これによりプロピレンオキサイド・スチレンモノマー事業から撤退することになる。基礎化学品部門ではカプロラクタムの液晶法プラント停止、MMAプラントのシンガポールへの集約化などの再構築により生産体制の最適化を図る。 エチレン生産能力は、ワールドワイドに見れば、国内(京葉エチレン)に60万トンのほか、シンガポールに110万トン、ペトロ・ラービグ(サウジアラビア)の130万トンと合わせて300万トン体制となる。 ペトロ・ラービグは、昨年は停電などのトラブルがあり高稼動が維持できなかったが、今年はフル稼働しており、第3四半期(1-9月)までに230億円の純利益が出ている。過去最高益が達成できる見込みだ。円高是正の効果もあるが、本来のあるべき姿に戻ったともいえる。 2015年度の目標として、売上高内訳でスペシャリティ領域1兆1700億円、バルク領域1兆1550億円。営業利益率はそれぞれ9.7%と3.4%、ROI(投下資本利益率)は7.3%と7.0%を掲げている。これらを達成してゆるぎない経営基盤を確立したい。 |