2014年12月19日
住友化学、デング熱向け殺虫剤開発 東南ア展開へ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:住友化学

住友化学は19日、屋内外のハエ・蚊を駆除する、新たな業務用散布殺虫剤「スミプロ」を開発したと発表した。
すでにシンガポールで販売開始したが、今後はデング熱防除などの公衆衛生向けとして、東南アジアを中心に展開を加速する。

「スミプロ」はピレスロイド系の「ゴキラート」が主な有効成分だが、共力剤を配合したため、つよい抵抗性を持つ蚊に対しても優れた効果を発揮する。公衆衛生向けとして、初めて有効成分「スミワン」を含ませたことにより「ゴキラート」の殺虫効果と、「スミワン」のノックダウン作用の複合効果により、即効的に対象害虫を駆除することができる。

また、油性殺虫剤と比較して経済性に優れ、環境負荷が少ない。水性殺虫剤の弱点である散布液滴の蒸発を最小限に抑えたため、高温・乾燥地域でも高い殺虫効果が得られる。

住友化学は、これまでマラリア対策用の蚊帳「オリセット・ネット」や、幼虫駆除剤「スミラブ」などを販売展開してきた。今回の「スミプロ」を加えて、感染症予防事業の一層の拡充を図る。

<用語の解説>
■共力剤とは :それ自身は薬効を示さないが、殺虫剤と混合して用いると殺虫効果を著しく高める薬剤。
■ノックダウン作用 : 害虫を即効的に麻痺させる効果。蚊の場合は一時的に飛翔や吸血ができなくなる。