2015年03月19日
NIMS、安定特性のペロブスカイト太陽電池構築
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:物質・材料研究機構

物質・材料研究機構(NIMS)は、安価で高効率な次世代太陽電池として期待されるペロブスカイト(結晶構造)太陽電池について、再現性や安定性に優れ、理想的な半導体特性を示すペロブスカイト太陽電池の構築に成功したと発表した。

これまでペロブスカイト太陽電池は高い変換効率を示すものの、再現性が低く、また電流―電圧曲線の電圧掃引方向によって電流が変わるヒステリシスが観測され、安定性に足りる太陽電池ができなかった。
今回、NIMSは、次の2つの検討から再現性のある安定したペロブスカイト太陽電池が得られた。
(1)雰囲気制御が厳格な有機薄膜太陽電池の作製手法をペロブスカイト太陽電池の作製工程に導入することにより、水分や酸素濃度を除くとともに、太陽電池構造をできるだけ単純化した太陽電池を作製した。
(2)今回作製したペロブスカイト太陽電池は、電流―電圧曲線におけるヒステリシスが観測されず、安定性に問題がないことがわかった。また理想的なダイオード特性を示すことが明らかとなり、ペロブスカイト材料が太陽電池として優れた半導体であることが示された

今後NIMSでは、不純物準位の由来とその太陽電池への影響を明らかにする。また、不純物準位を取り除き、太陽電池の高効率化を行い、エネルギー環境問題に貢献していく方針だ。