2015年09月07日
東工大、油脂高生産藻の脂質量の改変技術開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京工業大学

科学技術振興機構(JST)は7日、東京工業大学大学院の太田啓之教授(生命理工学研究科)、岩井雅子研究員らが海産性の油脂高生産藻類として注目されるナンノクロロプシスを用い、油脂の蓄積量と油脂中の脂肪酸組成を改変する技術を開発したと発表した。

多くの藻類では窒素欠乏時に油脂を蓄積することが知られているが、その条件では藻類の生育が著しく阻害されるため、生育しながら油脂を貯める手法の開発が課題となっていた。

東工大の研究チームは今回、ナンノクロロプシスのリン欠乏に応答した遺伝子発現制御の仕組みが、種の異なる藻類クラミドモナスと類似することを見出し、その仕組みを活用した。

今後、リン欠乏に応答する遺伝子プロモーターを種々の脂質合成遺伝子とセットでナンノクロロプシスに導入することで、さまざまな種類の有用脂肪酸の生産に応用することが期待されるとしている。

同研究成果はスイスの科学雑誌「フロンティアズ イン マイクロバイオロジー」(9月7日発行)に掲載される。