2000年10月05日
米国PVC価格軟化で、アジアへの輸出拡大の動き
シンテックなどプレマーケティングを本格化
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:シンテック

 商社筋によると、米国でのPVC(塩ビ樹脂)国内価格が景気の一服感から軟化が進んできており、シンテックをはじめとした大手PVCメーカーでは年末のアジア向け輸出についてのプレマーケティングを一段と本格化させている。
 米国の10月の国内価格はポンド35セント(デリバリー)水準となっており、8月に比べ5セント前後下降している。この水準はトン/ドル換算では約770ドルと、依然として高水準であるが、稼働維持のためにアジア向けの輸出拡大を模索しているものと見られている。
 日本のPVCメーカー筋では、アジアの10月価格はCFR・トン700ドルとなっており、ここへ来ての原油価格の高騰によりフレートコストも上昇していることから、米国ガルフではFOB600ドルを割り込む水準になることから採算的には厳しいと見ている。
 また、中国マーケットについても一昨年からは契約ベースでの取引が浸透していることもあり、スポット的な輸出契約は難航するものと見ている。しかし、米国メーカーでは税制上の問題から年末在庫の低減も求められており、しばらくはアジア向けマーケティング活動を強めていくものと見られている。
 また商社筋によると、欧州メーカーもここへ来てのユーロ安からアジアへの輸出拡大の動きが見られるとしている。