| 2015年12月01日 | |
| 十倉・住化社長会見「攻めの経営」強調 | |
| 【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:住友化学 |
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住友化学の十倉雅和社長は1日記者会見し、2013年度を起点とする3カ年中計の進捗状況や、今後の経営戦略などについて語った。この中で「重点課題だった財務基盤強化、事業構造改善、次世代事業開発はいずれも順調に進んでいる」とし「(企業体質は)だいぶ筋肉質になった。これからは“筋肉化と攻めの経営”によってグローバル生産体制構築を目指す」と、さらなる事業拡大に意欲をみせた。 2015年度上期の純利益は609億円で過去最高を大幅更新した。営業利益は742億円で07年度に及ばなかったものの「あのときは株式売却益があった。その分を除けば実質最高益 といえる」と説明した。 通期ベースで営業利益1,550億円、純利益800億円の目標達成は固そうだ。 十倉社長がとくに強調したのは営業利益の中身。機能材料、情報電子、農薬、医薬などのスペシャリティケミカル部門が742億円のうち648億円と全体の87%を占めた。石油化学などバルク部門も134億円と前年同期比10倍に増えたが、「両領域とも拡大し、バランスがよくなった」と構成比を重視している姿勢を示した。 今後の戦略で重要な点として「ポートフォリオの高度化」を挙げた。強み・優位性のある分野を見極め、技術的に優位性のある分野には積極的に投資していく。「まず戦う土俵を選ぶ。技術による差別化に積極的に取り組んでいきたい。M&Aも含めて経営資源を集中投下したい」と、技術による差別化をポイントに挙げた。 また、次期中計の方向性としてITC、環境・エネルギー、ライフサイエンスの3領域の重なる分野を成長分野と位置づけ、拡大・強化していく方針を明らかにした。フレキシブルデバイス、次世代電池、化合物半導体、バイオセンサー、精密農薬、微生物ゲノム解析などをその例にあげた。 ICT分野では自社開発の“スーパーエンプラ”をボーイングの航空機向けに供給開始した。「世界シェア100%」とアピール。ライフサイエンス分野ではメチオニンの需要が好調で、原料から一貫生産体制の強みを生かすことができる。環境・エネルギー分野ではアラミドセパレーターの生産能力拡大が進み、大江工場(愛媛県)と韓国・大邸工場を合わせて16年秋には年産2億㎡に達する見通しだ、などと説明した。 数値目標として、ROE10%、ROI7%、D/Eレシオ0.7培、配当性向30%、利益成長(年)7%を「安定的に達成することを目指す」とした。 |