2015年12月02日
東大・ニコン、細胞を傷つけないシート型センサー開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:なし

東京大学大学院の一木隆範准教授(工学系)らとニコンの共同研究グループは2日、細胞を傷つけずに培養細胞の酸素代謝を計測できる、柔らかいシート型センサーを世界で初めて開発したと発表した。培養細胞や3次元組織切片に被せるだけで、代謝活性によるわずかな酸素消費量を高感度に測定することに成功した。

医薬品や再生医療の研究では、使用する細胞の品質を評価する必要があるが、従来の計測法では細胞自体を傷つけやすかった。今回、研究グループは、培養シャーレ中で細胞の代謝活性を細胞を傷つけずに計測でき、終了後には簡単に取り除くことのできる、柔らかい光学式シート型センサーを開発した。

センサーは、柔らかな透明ポリマーシートの表面にマイクロチャンバーと呼ばれる髪の毛の太さほどの小さなへこみがたくさん形成されており、その中に酸素濃度によって発光応答が変わる、リン光発光性金属錯体のセンサーを備えている。このシートを培養細胞や生体細胞に載せ、自動光学計測システムと組み合わせて使うことにより、1分間に100カ所の自動計測が行え、がん細胞や脳組織中の神経細胞の酸素代謝を計測することに成功した。
シートは大量生産が可能で、医薬品開発や再生医療用に使う細胞の品質管理技術への応用が期待できる。

同成果は、米国のオンライン科学雑誌「PLOS ONE」12月1日午後2時(米国東部時間)に掲載された。