2016年01月18日
製薬協が産業ビジョン「世界に届ける革新技術」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本製薬工業協会

日本製薬工業協会はこのほど、研究開発型企業として10年後のあるべき姿を描いた産業ビジョン「2025/世界に届ける創薬イノベーション」を策定した。

まず、業界を取り巻く環境について「少子高齢化が進行する中、新薬の創出、イノベーションの成功は必須である」としたあと、「新薬開発の難度の高まり、研究開発費の高騰、国際競争の激化など事業リスクが増大している」と、環境の厳しさを説いた。その一方で「先進国の成長は鈍化しつつあるが、途上国に向けた医薬品供給への期待は高まっている」とし、今後の対応には「さらに強固な事業基盤の構築が求められている」点を強調した。

■今後取り組むべき要素を次の5つに整理し、それぞれに10年後のビジョンを定めた。
(1)「先進創薬で次世代医療を牽引する」:科学技術の進歩により、遺伝情報など個人データに基づく診断・治療や予防医学の重要性が高まる。P4+1(個別化、予測的、予防的、参加型のP4と、進歩的の1Pを加えた医療概念)は、国際競争を勝ち抜くために重要となる。
(2)「世界80億人に革新的な医薬品を届ける」:社会・経済のグローバル化とともに、地球規模で高まる優れた医薬品に対する期待に応える責務を果たす。
(3)「高付加価値産業として日本経済をリードする」:研究開発の合理化、多種多様な連携、経営の効率化等を通じて生産性を高め、革新的な医薬品の創出、グローバル展開を推進、日本の開催成長に貢献する。
(4)「健康先進国の実現を支援する」:平均寿命が延びるだけでなく、積極的な社会参加など、より質の高い人生を送ることのできる社会づくりに貢献する。
(5)「志高き信頼される産業となる」:健全で透明性の高い事業活動を行うためのガバナンス体制を維持し、医薬品の品質確保や安定供給など生命関連企業としての責務を果たす。社会全体の信頼や支援につなげる。