2016年02月16日
東工大など、分子の金属への吸着構造を解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京工業大学

東京工業大学大学院の木口学教授と物質・材料研究機構(NIMS)の塚越一仁主任研究員らは、分子の吸着構造を区別できる単分子分光法の開発に成功し、分子が金属のどこにどのように吸着しているのかの識別に成功したと発表した。高性能分子デバイス実現に道を拓くと期待される。

今回、単分子の電流―電圧特性、表面増強ラマン散乱(SERS)の同時計測を可能にするシステムを新たに構築して実現した。開発したシステムを金属極に架橋したベンゼンジオチール(BDT)単分子に適用し、分子が特定の吸着構造をとる場合のみSERSが観測されることを明らかにした。これは、世界で初めての吸着サイト選択的な単分子分光計測となる。

今回は、金属電極間に架橋した単分子についてサイト選択的な分光計測に成功した。今後は、特定の吸着構造を持つ分子のみを抽出し集積化することで、究極の微細化と高信頼性を実現する分子デバイス開発を目指す。

同研究成果は米国化学会誌「Journal of Chemical Society」に掲載された。