2016年04月07日
産総研など、ゲノム編集でニワトリを品種改良
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:産業技術総合研究所

産業技術総合研究所は7日、農業・食品産業技術組合研究機構(農研機構)および信州大学と共同で、卵白に含まれる強力なアレルゲンである「オボムコイド」遺伝子を欠失したニワトリを開発したと発表した。

今回、次世代の品種改良技術としてさまざまな動植物で研究が行われているゲノム編集技術のクリスパー・キャス9(ナイン)法をニワトリに初めて適用して、ニワトリなど家禽の新しい品種改良法を開発した。

ゲノム編集により精子や卵子の元になる始原生殖細胞のオボムコイド遺伝子を欠失させて、オボムコイド遺伝子欠失ニワトリを作製した。このニワトリが生産する卵は、オボムコイドタンパク質を含まないことが期待され、副作用の少ないワクチン生産や低アレルゲン性卵の開発につながると期待される。
この成果は、4月6日(英国時間)に「Scientifio Reports」オンライン版に掲載。


<用語の解説>
■ゲノム編集技術とは :ゲノム上の特定の配列を標的として遺伝子の変異、削除や挿入などを可能にする技術。広い汎用性、高い効率性から次世代の遺伝子改変技術として、医学、農水産分野で応用研究が進められている。