2016年06月20日
農研機構の牛疫ワクチン株,世界標準に認定
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:農林水産省

農業・食品産業技術組合研究機構(農研機構)は20日、フランスのパリで開催された第84回国際獣疫事務局(OIE)総会で、同機構動物衛生研究部門が製造する牛疫ワクチンの製造用株であるLA赤穂株が世界標準株として承認されたと発表した。

牛疫は、致死率、感染力とも高く、かつて世界中で最も恐れられた家畜の伝病。国際連合食糧農業機関(FAO)及びOIEによる撲滅キャンペーンが進められた結果、2011年に世界的に撲滅が宣言された。

農研機構では、再発などの不測の事態に備え、牛疫に高い感受性を持つ黒毛和種などの牛に対しても安全に使用することができるLA赤穂株を用いた牛疫ワクチンの製造と備蓄を行ってきた。農研機構の研究部門で、LA赤穂株の全ゲノム配列を決定し、OIEに対して陸生動物の診断及びワクチンに関するマニュアル(OIEマニュアル)への収録を提案し、このほど承認された。

LA赤穂株は、現在、世界で製造が行われている唯一の牛疫ワクチンの製造用株で、今後、ワクチン製造が行われていないRBOK株(英国が開発)とともに世界標準株として牛疫の清浄性維持に役立てられることになる。