2000年09月01日
通産省、来年度も化学の新技術開発を積極推進
精密高分子材料やナノ粒子の合成技術などをテーマに
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:NEDO、化学技術戦略推進機構

 通産省は来年度も引き続き新化学技術の研究開発を積極的に推進していくことにして、このほど大蔵省に必要予算の要求を行った。
 かねてから同省は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通して民間化学業界団体や民間企業の新技術開発を資金面で支援していく政策を取ってきており、これを受けて次世代化学プロセス技術や超臨海流体利用技術などの革新的技術を化学技術戦略推進機構等が開発中。
 同省は、引き続き今後も新化学の基礎技術開発を推進していくことがわが国全体の持続的発展に不可欠と判断して予算措置を大蔵省に要求したもので、この中には(1)精密高分子材料開発(2)ナノ粒子の合成と機能化技術の開発--の二つの革新的テーマが開発推進の対象に含まれている点が注目される。
 前者は、有機材料の内部構造を決定する分子の配列および結合方向を精密制御する合成技術と、有機材料の三次元構造や表面・界面の構造を制御し特性を向上させる技術とを開発するというもの。狙い通りにいけば、自動車用材料や航空宇宙材料等の構造材料のほか、絶縁材料、電子・電気機能材、生体代替材料等の医療・福祉材料--等々の新材料の開発に必要な技術基盤が整備されることになる。
要求予算額は14億円。
 一方後者は、ナノスケールの無機材料を製造する際に必要なナノ粒子の合成・薄膜化技術およびナノ粒子への機能付加プロセス技術等の基盤を確立するというもの。これによって、電子デバイス、発光素子、バイオセンサー等の広範な材料分野への材料ナノテクノロジーの実用化を促進するプロセス技術の基盤が整備されることになると期待されている。要求予算額は10億円である。