2000年08月31日
中部通産局、日油事故は「劣化」「混触」原因か
第2回調査委、さらに詳細な分析、試験実施
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本油脂

 中部通産局は31日、第2回「日本油脂武豊工場事故調査委員会」(委員長、長田英生九州工業大学名誉教授)を開き、8月1日に発生した日本油脂武豊工場の事故原因と、再発防止策について意見交換した。また、安定度試験結果について会社側から報告を受けた。
 この結果、爆発原因については「無煙火薬を長期間保管したことにより劣化が生じた」など2点が考えられるとし、さらに詳細な分析・試験を行うことを決めた。発表内容は次の通り。

1)第2回事故調査委員会の概要
 本日の委員会では、安定度試験の結果報告、日本油脂(株)からのヒアリングを行った後、各委員の間で今後の検討の進め方について議論を行った。
 本日の議論の結果として、こらから9月中は各委員が各々の専門分野ごとに掘り下げた検討を行い、適宜、少人数の会合を開いて意見交換を行うとともにその結果を持ち寄って議論の上、取りまとめていくこととなった。
 また、今後の検討の方向として、爆発原因については、第一に、無煙火薬を長期間保管したことによって劣化が生じ、爆発に至ったのではないか、の2点について、それぞれ更にとした。
 さらに、自然発火メカニズムの検証と爆発の影響については、更に詳細な分析を行うこととした。
 
2)安定度試験の結果報告について
 平成12年8月7日付けで当局が火薬類取締法第36条第2項に基づき実施命令を発した安定度試験について、本日事業者から当局に対してその結果報告の提出があり、その内容を本日の事故調査委員会に報告。
 試験対象は、武豊工場内に存置されているすべての無煙火薬、計754品目(ロット)、サンプル数慶887件。平成12年8月8日から27日かけて耐熱試験を実施。
 その結果、4件の無煙火薬について安定度の低下がもられた。
 なお、これらの無煙火薬については、事故調査委員会の示唆もあり、ロケット燃焼試験場に移動し、火薬に水を加えて湿潤処理を行い安全措置を図った。さらに詳しい調査のためサンプルを一部保管している。