2016年10月26日

農研機構、トマトの青枯病防除にアミノ酸発見

【カテゴリー】：ファインケミカル 【関連企業・団体】：なし

農業・食品産業技術組合研究機構（農研機構）は26日、トマトの重要病害である青枯病の防除にヒスチジンやアルギニン、リシンなどのアミノ酸が有効であることを発見したと発表した。今後、作物の病害抵抗力を利用した青枯病防除剤の開発に応用できると期待されている。 土壌中の病原菌によって起こる土壌病害は、根が常に土壌に触れていること、消毒剤や薬剤の及ばない土壌深層にも病原菌が生存することから防除が困難。とくに青枯病は、トマトやナス、ピーマン、ジャガイモなど多くの作物に発生する重要病害の1つとなっている。トマト栽培では近年、施設の大規模化や産地ブランドの拡大によって連作を余儀なくされ、発生が増大している。 そこで農研機構は、青枯病に有効な新たな薬剤を探索した結果、ヒスチジンやアルギニン、リジン等のアミノ酸が青枯病に発病抑制効果を示し有効であることを見出した。また、ヒスチジンは青枯病に対する抗菌（殺菌）活性は持たず、ヒスチジンを与えたことによってトマトの生体防御反応が高まるプラントアクティベーターとして働くことがわかった。 農研機構は現在、同技術を応用し民間企業と共同で病害防除剤の開発を進めている。