2016年10月27日
信越化学、シリコーン事業拡大 2年間で500億円投資
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:信越化学工業

信越化学工業は27日、シリコーン事業拡大のため直江津工場(新潟県)に製造工場を新設するほか、成形・加工テクニカルセンター(埼玉県東松山市)を拡張すると発表した。シリコーン事業では昨年タイと日本で設備増強を行っており、2年間の累計投資額は500億円に達する。

シリコーンは、ケイ素を原料とする機能性樹脂で、耐熱性、耐水性、電気絶縁性などに優れ、電気、電子、自動車、建築、化粧品など、幅広い用途を有する。同社は、国内では50%超のシェアを持ち海外でもアジア、アメリカ、欧州に生産拠点を設けるなどグローバル展開中だ。

今回新設するのは、少量多品種生産に対応した機能性シランの工場で投資金額は23億円。2018年3月までに直江津工場(新潟県)敷地内に完成する。同社は自動車、電気・電子材料などに使用される樹脂改質用シランや、接着力の強化を実現するシランカップリング剤など、高特性および高機能を有する製品群を多数有しており、新工場はこれらの製品の需要増に対応する。

また、2001年に開設したシリコーンゴムの成形および加工テクニカルセンター(埼玉県東松山市)を拡張し、テクニカルサービスを充実させる。試験設備や成形機を増やすほか、実演によって説明力を充実させ拡販に結びつける。2017年7月までに完成の予定。

同社は同事業で昨年からタイと日本国内に合わせて400億円を投じ生産能力を増強してきた。タイでは50億円で新たに事業用地を取得した。今回の投資でシリコーン事業全体でのこの2年間の累計投資額は約500億円に達する。
また、群馬県のシリコーン電子材料技術研究所では新研究棟が今春稼働を開始した。アメリカではニュージャージー州にテクニカルセンターを開設するなど、同社は国内と海外、製造と研究の両面で事業の拡大に向けた取り組みを進めている。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1477548297.doc