2016年11月01日
農研機構、西日本向け高アミロース水稲新品種開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:農林水産省

農業・食品産業技術組合研究機構(農研機構)は、西日本での栽培に適した高アミロースの水稲新品種「ふくのこ」を開発した。アミロース含有率は27%前後で、米粉麺への加工に適している。
1987年に開発された西日本向けの高アミロース品種「ホシユタカ」は、玄米の粒形が細長く、脱粒性もあって栽培や選別・精米などが難しいという欠点があったが、「ふくのこ」は粒形が「ヒノヒカリ」と同等で、選別や精米に従来の機械が利用できる。収量も「ホシユタカ」と比べて3割ほど多収になる。

収穫時期は「ヒノヒカリ」とほぼ同じで、西日本など「ヒノヒカリ」の作付け地帯で栽培可能である。これまで、栽培しやすい西日本向けの高アミロース品種はなかったが、「ふくのこ」の育成により、西日本でも米粉麺などの高アミロース米を使った6次産業化が可能になる。
西日本向けの「ふくのこ」の育成により、北海道の「北瑞穂」、東北―北陸の「あみちゃんまい」、北陸―関東の「越のかおり」とあわせ、ほぼ全国で高アミロース米が栽培できるようになった。