2000年08月28日
電気化学/中外製薬、『関節治療薬』きょうから発売
画期的な発酵法プロセス、膝関節の痛みに効果
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:アベンティスファーマ、中外製薬、電気化学工業

 中外製薬、アベンティスファーマ、電気化学工業の3社は28日、電気化学が量産化に成功した、発酵法によるヒアルロン酸ナトリウムを原体として、関節機能改善剤『スベニール・ディスポ』と『スベニール・バイアル』の2製剤の発売を同日付で開始したと発表した。
 これまでのヒアルロン酸ナトリウム製剤と異なり、「変形性膝関節症」「肩関節周囲炎」だけでなく、初めの「慢性関節リウマチによる膝関節の疼痛」を和らげる効果がある。
 電気化学は Streptococcus equi 変異株を使った発酵法で量産化に成功した。3社は共同で平均分子量約190万の高分子ヒアルロン酸ナトリウム製剤を開発した。基礎試験段階で、粘弾性特性(粘性と弾性の2面性)をもち、軟骨変性抑制作用、プロスタグランジンE2 の産生抑制作用、損傷軟骨修復作用、関節疼痛抑制作用などに効果が認められ、臨床試験ではさらにこれらの症状への改善効果が確認された。とくに慢性関節リウマチにおける膝周囲痛に有用性が認められたとしている。
「高齢化社会を迎え、関節疾患に悩む人は増えているが、医療福祉面で貢献できれば」と3社は言っている。
 2製剤とも関節内注射薬で、薬価は『スベニール・バイアル』(1%2.5ml)1びん2,041円、『スベニール・ディスポ』(1%2.5ml)1管2,424円。
 製造元はアベンティスファーマ社、電気化学工業は受託製造元で、中外製薬が販売元となる。中外製薬では今年度下期(2000年10月~2001年3月)に売上高20億円を見込んでいる。