2017年02月14日
プラ工連「米国のプラスチック輸出入動向」まとむ
メキシコ、カナダ 米国市場で比重大きい
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本プラスチック工業連盟

米国新政権の貿易政策に関心が高い中、日本プラスチック工業連盟はこのほど「米国のプラスチック輸出入動向」に関するデータをまとめ、会報(プラ工連ニュース407号)で紹介した。「米国ではシェール由来のポリエチレンの生産能力が2017~18年には大幅拡大し、その大部分は輸出に向けられると予想される。グローバルマーケットに与える影響が懸念される」と指摘した上で、米国のプラスチック輸出入推移と動向を以下のように紹介している。

■輸出先トップはメキシコ
米国のプラスチック輸出量は1990年の4,386千トンから2015年には15,583千トンと3.6倍に増加した。15年の輸出先を国別にみるとトップはメキシコで、次はカナダ。以下中国、ブラジル、ベルギー、コロンビア、韓国、ペルーの順で日本は12位だった。メキシコへの輸出は90年には422千トンだったが、2015年には3,956千トンと9.4倍に増加しており、209年以降毎年トップを占めている。全量が現地の自動車産業向けとみられる。
樹脂の種類別ではポリエチレン、スチレン系、ポリプロ(プロピレン重合体)の3樹脂が長らく上位1~3位を占めていたが、2009年に塩ビとポリプロが入れ替わり塩ビ3位、4位ポリプロとなった。構成はエチレンが全体の約20%を占め、あとは10%前後で推移している。

■輸入先はカナダが断トツ
米国のプラスチック輸入量は1990年の1,290千トンから2015年には7,086千トンと5.5倍に拡大した。2008年にはリーマンショックの影響で大きく落ち込んだが、その後は再び増加し2015年には過去最高を記録した。
国別輸入先ではカナダが圧倒的に多く、15年は2位がメキシコ、次いで韓国、ドイツ、中国の順。日本は7位だった。
構成比を見ると、1位はポリエチレン(エチレン重合体)で90年には全体の約60%を占めていたが、徐々に低下し最近では45%前後。あとはプロピレン重合体、スチレン重合体、ABS樹脂、塩ビ樹脂などが混戦状態で推移している。
報告にもあるように、シェール由来の石化製品の急増が世界市場にどのような影響を与えるか気になるところだ。


関連ファイル :「プラ工連ニュース407号」
http://www.chem-t.com/link/data/20170214-us-pla.pdf