| 2017年06月05日 |
| 房総沖に北西太平洋最大級の「コバルト層」発見 |
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海洋研究開発機構(平 朝彦理事長、JAMSTEC)は5日、高知大学、筑波大学と共同で房総半島沖350㎞の海底一帯に厚いコバルトリッチクラストの広がりを確認したと発表した。水深1500mから5500mの「拓洋第3海山」の北斜面に、厚さ10㎝を超える厚いコバルトリッチクラストに覆われている地層を見つけた。コバルト、ニッケル、テルル、白金、レアアース等のレアメタルを多く含んでおり、低コスト、高効率で採取可能な、我が国にとって貴重な海底金属資源になるとしている。 これまで、コバルトリッチクラストの科学的な調査は、主に日本列島から遠く離れた(1800㎞、拓洋第5海山)で行われ、コバルトリッチクラストの試料採取や厚みの測系計などを行ってきた。今回、これらの研究をもとに、房総半島沖合350㎞に位置する平頂海山の海底を調べた。JAMSTECの無人探査機「かいこう」を用いて合計5回の調査潜航を水深1400~5500mの各地点で行った。この結果、水深3200mの地点から北西太平洋で最大級となる厚さ13㎝のコバルトリッチクラストを採取した。 同研究は、政府の「戦略的イノベーション創造プロジェクト」の一環として、2014年度から5カ年計画で取り組んできた「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」の成果。今後、さらにコバルトリッチクラストの産状や成長プロセス、レアメタル含有量などの詳細を調査し、将来の有用資源として低コスト、高効率な産出、開発につなげていく方針だ。 |