2017年07月18日
東大とNIMS、自ら変化するアメーバ似の新物質合成
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:物質・材料研究機構、東京大学

東京大学の柴山充弘教授(物性研究所)、NIMS(物質・材料研究機構)上木岳士主任研究員らの共同研究グループは、ゾル(液体)とゲル(擬個体)の状態をひとりでに繰り返すアメーバのような新物質の合成に初めて成功したと発表した。
周期的なゾルーゲル変化は、生体内では細胞分裂・傷の修復・がん細胞の転移・アメーバの運動などにおいて頻繁に観察される。ゾルーゲル変化はアクチンという生体高分子が「集合と分散を自ら繰り返す」ことで実現されている。今回の研究成果は、アクチンの持つ機能を合成高分子がまねて、生命挙動の一部を人工的に再現したといえる。
将来的にはアメーバの運動機能をはじめ、生命の自律性を考察する糸口になると考えられる。
同研究成果は「Nature Communications」オンライン版で7月13日に公開された。