2019年09月05日
東北大、「クラゲの成長に細胞増殖必須」解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学の中嶋悠一朗助教(学際科学フロンティア研究所)らの研究グループは4日、クラゲのメデューサ個体の体が成長する過程や触手の形態形成・再生において細胞増殖が必須であることを明らかにしたと発表した。

クラゲは約6億年前から地球上に存在する原始後生動物の1種であ、左右相称動物(脊椎動物や節足動物など)とは独立して進化してきたと考えられている。飼育や系統維持の難しさなどから、クラゲ個体を用いた細胞や分子レベルの研究はこれまで困難だった。

中嶋助教らは、研究室環境で飼育が容易なエダアシクラゲを用いて、細胞増殖のパターンを詳細に明らかにした。さらにクラゲの成長や触手の発生・再生において細胞増殖が必須であることを示した。

本研究は、原始後生動物であるエダアシクラゲを用いた発生や再生、生理学的な研究の細胞生物学的な基礎となると考えられる。

研究の詳細はオンライン国際生命科学誌PeerJ(8月26日)に掲載された。