2019年09月30日
アステラス、抗体-薬物複合体第1相試験結果を発表
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:アステラス製薬

アステラス製薬は30日、Seattle Genetics社と共同開発中の抗体-薬物複合体(ADC)エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)について、第1相試験(EV-103試験)の最初の結果を公表したと発表した。

未治療の局所進行性または転移性尿路上皮がんで、シスプラチンによる化学療法に不適応の患者45例を対象に、エンホルツマブ ベドチンと免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブの併用による安全性を評価した。

今回の解析で安全性に関わる主要評価項目が達成され、白金製剤が不適応の患者に対する一次治療としてのペムブロリズマブ併用による有望な臨床効果が示された。

この結果は、バルセロナで開催されている2019年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で口頭発表された。

今回の安全性評価では、患者の51%(23/45例)に重症度がグレード3以上の有害事象が認められた。これらのうち最も頻度の高い有害事象はリパーゼの増加で13%(6/45例)だった。薬剤に関連した有害事象により9%(4例)が治療を中止し、このうち最もよく見られたのは末梢性感覚ニューロパチーだった。また、多臓器不全症候群に起因した薬剤に関連すると考えられる死亡が1例あった。

臨床的に注目される薬剤に関連した有害事象のうち、重症度がグレード3以上のものは、発疹11%(5/45例)、高血糖7%(3/45例)および末梢神経障害4%(2/45例)で、エンホルツマブ ベドチンの単剤療法で認められたものと同様だった。ステロイド剤の全身投与を必要とする重症度がグレード3以上の臨床的に注目される免疫関連の有害事象が患者の11%(5/45例)で発現しました(肺炎、水疱性皮膚炎、高血糖、尿細管間質性腎炎、重症筋無力症)。臨床的に注目される有害事象に重症度がグレード5に該当するものはなかった。


関連ファイル
https://www.astellas.com/jp/ja/news/21256