2019年10月09日
東北大など、グラフェン準結晶状態の超高速変化 観測成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学電気通信研究所の吹留博一准教授や東京大学、九州大学、韓国・成均館大学などの研究グループは8日、
グラフェンを30度にねじり、2枚重ねた準結晶状態の超高速変化を直接観測し、ダイナミクスの追跡に世界で初めて成功したと発表した。

その結果、準結晶グラフェンでは、「質量ゼロ」の電子が保存されたまま、0.1ps(ピコ秒、10-12秒)という超高速な時間で、層間に30mVの電圧印加がなされることが分かった。

従来のグラフェンとは全く異なり「質量ゼロ」の電子が保存されたまま、超高速に2層間に大きな電場が生じていることを明らかにした。

グラフェンは大規模通信を行う次世代光デバイスの有望な材料であり、今回の成果は準結晶状態を生み出す「ねじれ角」が超高速制御の新たな自由度として活用できることが分かった。今後、本研究成果をもとに、質量ゼロ粒子による次世代光デバイス開発が大きく促進されることが期待される。

本研究成果はアメリカ化学会の速報誌「ACS Nano」に10月8日掲載予定。