2019年10月25日
東大、世界初・単一ナノ粒子計測 エクソソームアレイチップ開発
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東京大学大学院 工学系研究科の一木隆範教授らは25日、単一ナノ粒子計測を可能にするエクソソームアレイチップを世界で初めて開発したと発表した。マイクロ流体デバイスと組み合わせ、従来の手法では集団の特性しか測れなかったエクソソームを個別に計測できる、新たなプラットフォームを実現した。

がん診断のバイオマーカー候補のエクソソームには多様性があり、個別の評価が必要だが、ナノ粒子を一つ一つ計測する手法はほとんどなかった。

一木教授らは、生化学・医学研究で幅広く用いられるマイクロアレイ製造技術を最先端の電子線描画法で格段に高精度化し、エクソソームを付着できる直径200nmのスポットを、シリコン基板上に1mm2に10,000個の高密度に形成した。

流体デバイスでがん細胞などに由来するエクソソームを供給すると、約100nmの位置精度でスポット上に付着できる。これを原子間力顕微鏡で測定した結果、由来細胞の違いで変形能に差があることを見出した。

このアレイプラットフォームは、単一粒子計測・解析に基づく新たな個別化医療技術や、早期がん検出技術への応用が期待される。