2019年12月18日
東レ、世界最高レベルの海水淡水化逆浸透膜 創出
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ
海水淡水化向け省エネ逆浸透膜性能の発展

東レは18日、造水量を従来の約1.7倍に高めた世界最高レベルの海水淡水化用逆浸透(RO)膜を創出したと発表した。エネルギー消費量を変えずに造水量が増加できるため、造水コストが低減できる。今後、3年以内の製品化を目指して開発を加速する。

水不足や水質汚濁等の水問題は世界的にさらに深刻化し、安全な水確保は持続可能な開発目標(SDGs)の一つとなっている。だが従来のRO膜では、造水量を高めると水質が低下するという問題があり、新たな技術開発が求められていた。

東レはこれまでのナノ材料技術を活用して、RO膜の分離機能層のナノメートル(10億分の1メートル)サイズの微細構造分析を極限追求し、ひだ状構造と造水量、細孔構造と水質との関係等を見出してきた。

今回、新たに分離機能層を形成する精密界面重合技術を開発し、ひだ状構造の表面積・厚み制御と細孔の孔径制御を同時に行うことにより、様々な成分を含む海水から淡水を選択的かつ効率的に透過し、水質を維持しつつ造水量を従来の約1.7倍に高めることに成功した。

同成果は先にアラブ首長国連邦のドバイで開催された、国際脱塩協会会議(IDA world congress 2019)で発表した。


ニュースリリース参照
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1576656894.pdf