2019年12月23日
東北大「小さながんを早期発見」PET性能を向上
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学は、がんの検査に使われるPETの性能向上により「小さながんの早期発見につながる技術」を開発したと発表した。NEDOの「戦略的基盤技術高度化支援事業」で得た成果をもとに、C&A(東北大学発ベンチャー)と東北大学の研究チームが、陽電子放射断層撮影装置(PET)用のセンサー素子であるセリウム添加ガドリニウムアルミニウムガリウムガーネット(Ce:GAGG)シンチレーター結晶を、直径4インチ(101.6mm)、長さ150mm、ひび割れなし(クラックフリー)で製造する技術を確立した。

Ce:GAGGは、従来のPET用シンチレーター結晶材料と比べて2倍程度の発光量を持つため、PET用シンチレーター結晶の高発光量化・高感度化によるPETの特性向上が見込めるが、蛍光寿命が長くPETには適していなかった。

今回、最適な共添加剤とその最適濃度を見いだし、高い発光量を保ちつつ蛍光寿命を短くすることで、高速時間応答を実現し、PETにも適用できるようになった。

同技術の活用により、PET検査で小さながんでも早期に発見でき、がん患者の医療費の削減とQOL(生活の質)向上に寄与することが期待される。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20191220_01_PET.pdf