2020年01月14日
京大、ダイズ分泌物「ダイゼイン」根圏微生物叢 形成
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 京都大学 生存圏研究所の杉山暁史准教授らの研究グループは14日、シミュレーションと根箱栽培による実証試験で、ダイズ根から分泌されるダイゼインが根から数ミリの限られた土壌領域に留まることを明らかにしたと発表した。

 さらに植物の根から影響を受ける土壌領域である根圏と同程度の濃度でダイゼインを人工的に与えた土壌は、実際の圃場で栽培するダイズの根圏と共通する微生物が増加し、ダイズ根圏微生物叢に近づくことを解明した。

 根圏でのダイゼインは、生育期間を通してほぼ同濃度で維持されるが、ダイゼインは根粒形成だけでなく、生育に重要な役割を担う根圏微生物叢の形成にも機能するために、生育期間を通してダイズ根から分泌されることが示唆された。

 本研究成果は、微生物資材とダイゼインのような植物特化代謝物を活用して根圏微生物叢を調節し、持続可能な農業を実現するために活用されると期待される。

 同研究成果は、2019年12月24日に、国際学術誌「Plant Cell & Environment」のオンライン版に掲載された。


ニュースリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2019/191224_4.html