2020年01月15日
神戸大、糖を使い分け微生物ポリマー 生産性向上
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

神戸大学大学院の田中勉准教授(応用化学)や理化学研究所の研究グループは15日、バイオ生産に利用する微生物を代謝工学で改変し、取り込んだ糖の種類を目的別に使い分けることで生産性向上に成功したと発表した。

微生物を利用したモノづくりの場合、原料が微生物自身の増殖に利用されて目的生産物の生産性が低下する一方、増殖を制限すると微生物が弱って全体の生産量が減少するという問題がある。

研究チームは、物質生産と菌体増殖をコントロールするParallel Metabolic Pathway Engineering(PMPE)という新しい技術を開発した。

また、同技術で大腸菌を改変しナイロンの前駆体となるムコン酸の生産性を向上させることにも成功した。

今後、モノづくりに適した炭素源はモノづくりに、それ以外は微生物の増殖にまわすことができるようになり、芳香族化合物や医薬品、化成品原料などの生産性を大きく向上させることが期待できる。