2020年03月05日
理研・九大/など、新たな原子核存在をスパコンで解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:九州大学

 理化学研究所、九州大学、京都大学などの国際共同研究グループは5日、グザイ粒子1個と核子3個からなる新たなハイパー原子核(ハイパー核)「グザイ・テトラバリオン」の存在を理論的に予言したと発表した。

 同研究成果は、どのようなハイパー核が存在しうるのかという物理学の根源的問題の解明につながる。また、中性子星内部のような超高密度極限状態における物質構造の解明に貢献すると期待できる。

 通常の原子核は核子というバリオンから構成されているが、グザイ(三)粒子と核子からなるハイパー核については、どのような種類のものが存在するかほとんど分かっていないのが現状だ。

 今回、国際共同研究グループは、クォークの基礎理論「量子色力学(QCD)」に基づき、グザイ粒子と核子の間に働く力をスーパーコンピュータ「京」などを用いて明らかにした。さらに、得られた力をもとに量子少数多体系の精密計算を行うことで、グザイ粒子1個と核子3個の計4個のバリオンからなる新たなハイパー核「グザイ・テトラバリオン」の存在を予言した。

 本研究は、科学雑誌「Physical Review Letters」掲載に先立ち、オンライン版(3月4日付)に掲載された。
 
 
 ニュースリリース
 https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/430