2020年03月06日
東北大「アフリカ栽培のイネがUVBに弱い原因」発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学大学院の日出間純准教授(生命科学科)ら研究グループは6日、アフリカ栽培のイネがUVBに弱い形質を示す原因を突き止めたと発表した。

アフリカ各地で栽培されているイネ15品種のUVB(紫外線B波)抵抗性を調査したところ、大部分のイネ品種がアジア各地で栽培されているイネ品種よりも非常に弱いことが判明した。さらにその原因を調べたところ、UVBによって誘発されるDNAの傷(DNA損傷:シクロブタン型ピリミジン二量体)を修復する酵素(光回復酵素)が、アジアのイネ品種には見られない固有のアミノ酸配列を有し、その固有のアミノ酸配列が原因でDNA損傷を修復する効率が悪くなり、結果としてUVBに弱い形質を示すことを発見した。

本研究成果は、アフリカで深刻な食糧不足問題の解決、とくに穀類の生産性向上に向けた育種・品種開発に貢献すると期待される。研究は文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行った。

本研究成果は、2月21日付で「Scientific Reports」誌(電子版)に掲載された。