2020年03月17日
理研、ガラス状態の分子運動の不均一性を解消
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所 放射光科学研究センターの香村芳樹リーダーらの研究チームは17日、X線光子相関分光法(XPCS)を用いて、ガラス転移温度付近の「ガラス状態」で見られる分子運動の不均一性が「ずり」と呼ばれるひずみによって解消される現象の観測に初めて成功したと発表した。

本研究成果は、摩擦や応力下における分子運動の理解を深めるものであり、外力に対して丈夫な素材の開発に貢献すると期待できる。

液体と固体の両方の性質を併せ持つガラス状態を定義するのは難しく、いまだに大きな謎の一つとされている。ガラス状態を理解するには、ガラスを構成する分子の運動を理解する必要があり、分子運動の速い領域と遅い領域が混在する不均一性がこのようなガラス状態を特徴づける鍵だと考えられている。

今回、研究チームは、大型放射光施設「SPring-8」でXPCSを用い、ガラス転移温度付近におけるポリ酢酸ビニルの分子運動をナノメートルスケールで調べた。その結果、「ずり」によって分子運動の不均一性が解消され、分子運動の速さが均一になることが分かった。

同研究成果は近く、科学雑誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載される。


ニュースリリース
https://www.riken.jp/press/2020/20200317_1/index.html