2020年04月01日
富士フィルム、新型コロナ向け「アビガン」増産加速へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:富士フイルム富山化学

富士フイルム富山化学(本社:東京都中央区、岡田 淳二社長)は1日、新型コロナウイルス(COVID-19)感染症患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)について、このほど国内臨床第3相試験を開始したと発表した。

「COVID-19」は、19年に発生した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)によって引き起こされる呼吸器感染症で、有効な治療法が確立されていないことから、患者は世界各地に急増しており、世界保健機関(WHO)がパンデミックを表明、有効な治療法の早期開発が急務となっている。

「アビガン」は、既に国内では抗インフルエンザウイルス薬として製造販売承認を取得済み。ウイルスのRNA ポリメラーゼを選択的に阻害することでウイルスの増殖を防ぐというメカニズムを有している。このようなメカニズムの特徴から、インフルエンザウイルスと同種のRNA ウイルスである新型コロナウイルスに対しても効果が期待され、臨床応用への検討が進んでいる。

富士フイルム富山化学は、今回の国内臨床第3相試験で、COVID-19 患者を対象に「アビガン」投与時の治療効果と安全性を確認している。同社は、「アビガン」の増産準備を進め、既に生産をスタートしている。今後、各方面からのニーズに応えさらに増産を加速させる方針だ。