2020年05月14日
東大、「血小板凝集塊の分類可能」AIで世界初発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

 180年以上前に血小板が発見されて以来、血小板凝集塊は見た目が酷似しており、区別がつかないと考えられていたが、東京大学大学院の合田圭介教授(理化学系)らの研究チームはこのほど、人工知能を用いて血小板凝集塊が、刺激物質(アゴニスト)によって分類可能であることを世界で初めて発見したと発表した。

 特殊な顕微鏡によって得られた多数の血小板及び血小板凝集塊の画像をもとに深層学習を行い、構築された人工知能を活用することで、アゴニストの種類により血小板凝集塊の形態(形、大きさ、複雑さなど)が微妙に違うことを発見した。さらに血小板凝集塊の形態から活性化を誘導するアゴニストの種類の同定に成功した。

 血小板凝集形成のメカニズムを解明するための強力な手段となる。今後は血小板生物学の新展開がにつながると期待される。また、流血中の血小板凝集塊は心筋梗塞や脳梗塞などの血栓性疾患と関連があることから、血栓性疾患の画期的な臨床診断法、薬理学、治療法への応用展開も期待される。

同研究成果は5月12日(英国時間)に「eLife」オンライン版で公開された。