2020年05月20日
東大など、新機構で過去最小の磁気渦粒子を発見
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東京大学の十倉 好紀教授(工学研究科)らの研究グループは19日、理化学研究所、物質・材料研究機構(NIMS)、高エネルギー加速器研究機構などと共同で、既知の化合物では過去最小となる直径1.9nmの磁気スキルミオン(磁性体の中で現れる渦巻き状のスピン構造)を観察することに成功したと発表した。

スキルミオンは、幾何学的に保護された安定な粒子としての性質を持つため、次世代の情報担体の候補として研究が盛んだ。従来、スキルミオンを生み出すには、対称性の低い結晶構造が必要と考えられてきたが、今回、動き回る電子が媒介する新機構を活用して、対称性の高い希土類合金中で過去最小のスキルミオンを実現することに成功した。

今回の発見は、極小サイズのスキルミオンを生み出すための新しい物質設計指針を与えており、超高密度な情報素子への応用、展開を後押しすると期待される。

同研究成果は、2020年5月18日(英国夏時間)に英国科学誌「Nature Nanotechnology」に掲載された。


ニュースリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20200519/pdf/20200519.pdf