2020年05月26日
名大など「メタボ解析に新規プラットフォーム」開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:名古屋大学

名古屋大学と東京女子医科大学の研究チームは25日、新規質量分析法「探針エレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析(PESI/MS/MS)」と統計解析言語を用いたバイオインフォマティクスを統合して、内因性代謝物の網羅的解析手法である「メタボローム解析」の新たなハイスループット・プラットフォーム、“PiTMaP”の開発に成功したと発表した。

さらに、PiTMaPを肝障害モデルマウスの肝臓試料および悪性度の異なるヒト髄膜種の脳試料に適用した結果、各病態に関連するメタボライトを抽出することに成功し、PiTMaPの実用性を証明することに成功した。

PiTMaPは、近年、高い注目を浴びているメタボローム解析を「簡便に・迅速に・誰にでも」行うことを可能とする新たなハイスループット・プラットフォームであり、メタボローム解析の汎用化に極めて有効である。

また、PiTMaPは代謝性疾患などのモデルマウスの迅速病態解析や、脳神経外科などの外科手術時における術中補助診断技術への応用など、幅広い分野において活用できることが期待される。さらに、対象成分を二次代謝産物などにも拡張することで、植物科学や、近年高い注目を浴びているエクスポソーム解析への応用も期待される。

同研究成果は5月25日付で米国科学雑誌「Analytical Chemistry」オンライン版に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2020/pr20200525/pr20200525.html