2020年06月10日
三洋化成、超軽量断熱材「SUFA」事業会社へ出資
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三洋化成

三洋化成工業は10日、超軽量の透明断熱材SUFA(スーファ)を手がける京大発ベンチャーのティエムファクトリ(東京都港区、山地正洋社長)に出資し事業化を支援すると発表した。

SUFA は、京都大学とティエムファクトリが開発した、高い透明度有する板状のエアルゲル。全く新しい断熱材で、高い断熱性能をもちながら、超軽量で高透明度などの特長を有する。

同社は、SUFAの普及は温室効果ガス(CO2)削減、環境負荷低減につながるとして、今回、ティエムファクトリへの出資を決めた。同社との共同開発を通して、界面制御技術の応用や従来の断熱材であるウレタンフォームとの複合化など、新たな価値向上をめざす。

<用語の解説>
◆SUFAとは :
 エアロゲルは地球上の固体の中で最も軽く、もっとも断熱性能の高い材料として知られているが、SUFAはティエムファクトリが京都大学と共同開発した高い透明度を有した板状のエアロゲル。これまでエアロゲルの作製には、超臨界乾燥装置などの高価な装置が必要だったため、コスト的にも事業化は困難だった。
 今回、ティエムファクトリは独自の処方により、高透明度で大判のエアロゲルSUFAを、特殊装置を使用せずに作製することに成功したことで、価格の低下を可能にした。
 SUFA の熱伝導率はモノリスタイプで0.012~0.014W/m・K 程度と非常に低く、断熱材としての性能は世界最高レベル。また、透明で軽量なことから、これまで断熱が困難だった窓や透明部の断熱が可能になる。住宅や自動車、保冷物流などの分野に実用化が進めば、地球環境への負荷低減に貢献できる。
 
 
ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1591768247.pdf