2020年07月14日
昭電、高耐湿・高熱伝導の窒化アルミフィラー開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は14日、半導体デバイス用の高耐湿・高熱伝導窒化アルミニウムフィラーを開発、サンプル提供を開始したと発表した。

半導体の高性能化により、デバイス内で発生する熱は増加しているが、デバイス自体の小型化、高集積化によって、発生した熱の外部への放熱が難しくなっている。蓄積された熱は、組み込んだ電子機器の性能や安全性にも影響を及ぼす恐れがある。

こうした熱による悪影響を避けるには、発生した熱をいかに素早く除去するかが重要な課題となる。

窒化アルミニウムは高い絶縁性を有し、シリコンと同程度の熱膨張係数、半導体製造時に使用される塩素系ガスに対する耐性に優れるなど多くの特性を持っている。アルミナや窒化ホウ素などと比べて熱伝導率にも優れているが、水分が付着すると腐食性のアンモニアが発生することが課題だった。

同社は今回、窒化アルミニウムの表面に独自の極薄膜による表面処理を行うことで、熱伝導率を低下させることなく、窒化アルミニウムに比べてアンモニアの発生を1万分の1に抑えることができる窒化アルミフィラーの開発に成功した。今後サンプルによる市場開拓に入る。2023年の量産開始を計画している。

ニュースリリース参照

高耐湿・高熱伝導の窒化アルミニウムフィラーを開発
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1594706988.pdf

SDK Develops Wet-Resistant Heat-Conductive Aluminum Nitride Filler
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1594706988.pdf