2020年07月17日
東北大、東日本大震災による睡眠障害 実態を解明
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

東北大学 災害科学国際研究所(IRIDeS)の江川新一教授らの研究グループは17日、東日本大震災後の南三陸町における睡眠障害の実態について調査した結果を発表した。

2011年3月11日、東北地方を襲った大震災発生後、宮城県南三陸町では全病院が機能を停止し、診療は避難所または在宅で行われた。江川教授らの研究グループは、被災地で診療を受けた住民の睡眠障害のリスク因子と治療実態について調査・解明を行った。

その結果、同町住民の災害診療記録(10,459人分)の分析から、メンタルヘルスの問題を抱える人々の60%、それ以外の疾患がある人々の12%で睡眠障害が確認された。

睡眠障害を引き起こすリスク因子としては「高齢であること」「女性であること」「2つ以上の慢性疾患を持っていること」「避難所生活を送っていること」が特定できた。特に他の疾患がない比較的若い年代であっても、避難所生活では睡眠障害になりやすいことも確認できた。

災害後の睡眠障害は、他の疾患やメンタルヘルス問題の悪化につながる可能性があり、適切な治療や支援につなげていくことが大切であることが確認された。

同研究成果は、7月15日(日本時間)の「The Tohoku Journal of Experimental Medicine誌」に掲載された。