2020年07月28日
富士フ、米政府から受託ワクチン候補 テキサスで生産
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:富士フイルム

富士フイルムは28日、米国でバイオ医薬品を開発・製造する子会社が、同国政府から新型コロナウイルス感染症ワクチン候補の原薬製造を受託し、テキサス拠点で生産すると発表した。

原薬製造を受託したのは、FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズ=FDB)で、今回受託を機に、現在原薬を製造しているノースカロライナ拠点に続き、テキサス拠点でも同ワクチン候補の原薬を製造する。

米国政府は、ワクチン・治療薬の開発のために官民連携プロジェクト「Operation Warp Speed」(OWS)を立ち上げ、数々の支援策に乗り出している。

FDBは、30 年以上の受託実績や生産技術、最新設備を有するバイオ医薬品の開発・製造受託企業(CDMO)で、すでに新型コロナウイルス治療推進プロジェクト「COVID-19 Therapeutics Accelerator」からは、治療薬のプロセス開発・製造の受託が決まっている。

また本年7月には、米国バイオテクノロジー企業Novavax, Inc.(ノババックス社)から、2020 年秋に計画されている最大30,000 人規模の臨床第3相試験に向けた、COVID-19 ワクチン候補「NVX-CoV2373」の原薬製造を受託し、米国ノースカロライナ拠点で「NVX-CoV2373」の原薬製造を開始している。

今回、FDBは、OWSの一環として、COVID-19 ワクチン候補原薬の大量生産ニーズに対応すべく、米国テキサス拠点の一定レベルの製造キャパシティーを米国保健福祉省傘下の生物医学先端研究開発局(BARDA)のために2021年末まで確保する契約を締結した。今後、BARDA から製造設備拡張を含めた約270 億円の拠出を受け、ノババックス社を含む、OWS が支援するCOVID-19 ワクチン候補の原薬製造を米国テキサス拠点で行っていく計画だ。

同テキサス拠点は、BARDA からバイオテロや新型感染症によるパンデミックなどの非常時の際の医療手段の開発・製造重要拠点となる「Center for Innovation in Advanced Development & Manufacturing」の1つに指定されている。

ニュースリリース参照

米政府より新型コロナウイルス感染症ワクチン候補の原薬製造を受託 米国テキサス拠点での生産を決定
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1595909457.pdf

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas Facility to Support COVID-19 Vaccine Candidate Manufacturing
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1595909457.pdf