2020年08月03日
熊本大など、変成岩からマイクロダイヤモンド発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:熊本大学

熊本大学の西山忠男教授(先端科学研究部)らの研究チームは30日、愛媛大学、東北大学、金沢大学などと共同で、長崎県西海市の西彼杵(にしそのぎ)変成岩から、国内2例目のマイクロダイヤモンドを発見したと発表した。
国内1例目は愛媛県新居浜市の火成岩から発見されているが、変成岩からの発見は今回が初めて。

約1億年前の沈み込み帯の変成岩である西彼杵変成岩が、地下120km以深まで沈み込み、上昇した超高圧変成岩であることが明らかになった。

マイクロダイヤモンドの結晶は1ミクロン以下と細粒なため、確認はラマン分光法、ソフトX線分光法、透過電子線顕微鏡法など最先端の分析手法を用いて行った。

西彼杵変成岩は、450℃、1GPa(深さ30km)程度の条件で形成されたと考えられてきたが、今回の発見はその常識を覆し誰も予想していなかった発見となった。マイクロダイヤモンドを含む変成岩は、大陸と大陸の衝突帯で形成されるのが一般的。日本の変成岩のような海洋プレートの沈み込みによって形成された変成岩にも産出することを示した点で重要な発見となる。

これにより、九州の地質構造発達史が見直され、新しいプレートテクトニクスのモデルが提案された。
今後、九州ならびに日本の地質構造の関する研究がさらに進展すると期待される。

同研究成果は、7月15日(英国現地時間)に、イギリスの科学雑誌「Scientific Reports」に掲載された。


<用語の解説>
◆マイクロダイヤモンド : ミクロン( 1 ミクロン=0.001mm)サイズのダイヤモンド。
◆超高圧変成岩 : 主として大陸と大陸の衝突帯で形成される、地下80~120km の深さで形成され、地表に上昇してきた変成岩。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20200730_01web_diamond.pdf