2020年08月31日
昭和電工、産業廃棄物処分業許可を取得
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:昭和電工

昭和電工は31日、産業廃棄物処分業の許可を7月1日付で取得し、破砕成形されたプラスチック産業廃棄物の受け入れを本格開始したと発表した。

同社の川崎事業所(神奈川県)では、2003年から容器包装リサイクル法に基づく使用済プラスチック(容リプラ)を化学原料にリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル事業」(KPR)を行っている。受け入れた容リプラは、高温で水素と二酸化炭素に分解し、水素は主にアンモニアの原料、二酸化炭素はドライアイスや炭酸飲料向けに使用している。

昭和電工は、ガス化によるケミカルリサイクルでは世界で唯一、長期にわたる商業運転の実績を有する。

このところ海洋プラごみ問題など、廃プラスチック処理に対する関心が高まっているが、同社は今回の産業廃棄物処分業許可の取得により、安定的に廃プラ事業を推進していく体制が整った。

日本で排出される廃プラ量は年間約900万トン。このうち、再利用されるものは750 万トン(ケミカル39万トン、マテリアル208万トン、サーマル503万トン)、未利用のまま焼却や埋め立て処分されるものは142万トンとなっている。ケミカルリサイクルは廃プラを原料に戻して再利用できるため、資源循環型社会実現のための重要な技術の一つとして注目されている。

川崎市は、経済産業省からエコタウンとして認定されている。2015年7月、昭和電工と川崎市は低炭素水素社会の実現に向けた連携・協力に関する協定を締結し、使用済プラスチック由来の低炭素水素を活用した環境負荷の低い水素社会の実現を目指している。これまで、低炭素水素を川崎市内のホテルに設置した燃料電池や、燃料電池車用の水素ステーションに供給する実証実験を行ってきた。


<用語の解説>
◆エコタウン事業とは :「ゼロ・エミッション構想」を地域の環境調和型経済社会形成のための基本構想として位置づけ、併せて地域振興の基軸として推進することにより、先進的な環境調和型のまちづくりを推進することを目的として、経済産業省により創設された制度。


ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1598846146.pdf