2020年09月03日
理研、日本人ゲノムに「古代ウイルスの化石」
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:理化学研究所

理化学研究所 生命医科学研究センターゲノム免疫生物学の研究チームは3日、日本人の大規模なゲノム解析を行い、一部のヒトゲノムに「ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)」のゲノム全長に類似したDNA配列が組み込まれていることを発見したと発表した。

同研究成果は、HHV-6とその宿主であるヒトの共進化メカニズムを明らかにする上での新たな手掛かりになると期待できる。

ヒトゲノムの約8%は、「内在性ウイルス配列」と呼ばれる古代のウイルス由来の配列で占められ、その多くは数百万年前にヒトの祖先のゲノムに入り込んだと考えられている。

今回、日本人7,485人の全ゲノム配列を解析した結果、日本人の約200人に1人がゲノムにHHV-6由来のDNAの配列を持っていることを明らかにした。これらのDNA配列は、約3万年前に東アジア人の祖先のゲノムに入り込んだと考えられる。

同研究は、オンライン科学雑誌「PLoS Genetics」(8月10日付)に掲載された。


<用語の解説>

◆共進化とは :異なる二つ以上の種が相互作用しながら共に進化すること。