2020年09月10日
名大など、専門知識と機械学習を融合 最適化手法
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:名古屋大学

名古屋大学と理化学研究所および半導体メーカーのグローバルウェーハズ・ジャパン(新潟県)の共同研究グループは9日、逐次最適化のための機械学習手法であるベイズ最適化を、化学気相成長法(CVD法)によるエピタキシャルSi膜の成長プロセス条件の最適化へ応用することで、成膜品質を維持しながら、成長速度を約2倍に高めることに成功したと発表した。

材料分野の製造現場では、製造プロセスの条件検討が不可欠だが、目的とする材料特性値そのものだけでなく、限られた実験回数や特性評価に要する時間・コスト、装置エラーの発生条件など、考慮すべき要素が多数ある。

研究グループが開発した手法は、ベイズ最適化をベースに、考慮すべき要素に基づいた複数の制約を状況に応じて適応的に用いる方法。これによりベイズ最適化による大域的な最適化と、プロセスエンジニアの専門的な知識・経験を生かした局所的な最適化を組み合わせ、3カ月の非常に短い開発期間の中でも12個という多数のプロセス条件パラメータの最良な組み合わせを見い出すことに成功した。

この最適化手法は、本研究対象のCVD法に限らず、様々な材料プロセスに応用可能で、製造プロセス開発の有効化・効率化に貢献する。


名古屋大学:HP
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20200909_imass1.pdf