2020年09月16日
東北大、独創設計でアルカロイドの世界最短合成達成
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植物から得られるアスピドスペルマアルカロイドの一種、デオキソアポディンは、新規抗がん剤や白血病治療薬の候補化合物の部分骨格を構成し、創薬研究への応用が期待されている。だが、その複雑な構造から化学合成による十分量の供給は困難だった。

東北大学大学院 薬学研究科の徳山英利教授らの研究グループは16日、デオキソアポディンの世界最短ルートでの化学合成に成功したと発表した。

従来のおよそ半分の長さのルートで、グラム以上の量的供給を可能にする画期的な合成を実現した。

さらに、毒性の高い水銀試薬を必要とした既存のアミンの酸化を、低毒性で環境負荷が少なくかつ安価な鉄試薬を用いた手法へと代替することにも成功した。

これまで困難だった同化合物の量的供給を可能にする実用的化学合成の実現は、今後の創薬研究の発展に寄与すると期待される。

本研究成果は9月8日、ドイツ化学会誌「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。


ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2020/09/press20200916-02-alkaloid.html