2020年09月23日
北大など「簡易・迅速な大腸菌数測定キット」製品化
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

北海道大学と診断薬開発メーカーのセルスペクト(本社:岩手県盛岡市、岩渕拓也社長)は23日、「クオリサーチ・大腸菌数測定キット」を開発し販売開始したと発表した。

同製品は2016年、国土交通省で採択された「執行体制の脆弱化に対応した下水処理水中の細菌・ウイルスの簡易分析技術の開発 (研究代表者:佐藤久北海道大学教授)」の研究成果を活用して製品化した。

現在、大腸菌数の測定にはシャーレ上の寒天培地や試験管内に作製した液体培地を用いて、24 時間程度かけて培養することが必要で、また菌数の計測は分析者が直接数えるため、主観が含まれやすいなどの課題があった。

同製品は、少量の菌数かつ短時間の培養でも高感度に大腸菌を検出可能な蛍光プローブを適用させる特徴を有している。この蛍光プローブは、自体は蛍光を発しないものの、β-D-グルクロニドが分解されると蛍光分子が遊離し蛍光を生じる。

蛍光強度は蛍光プローブの分解量に比例するので、蛍光強度の時間変化は酵素活性に等しく、短時間でも大腸菌数を正確に評価することができる。本製品は下水、工場排水、河川水、地下水、飲料水など、あらゆる液体中の大腸菌数を迅速に検出することができるため、水系感染症や食中毒の原因となる糞便汚染を迅速に検出できるアイテムとしての活用が期待される。


ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/200923_pr.pdf