2020年09月24日
東レ、車載コンデンサ用高耐熱OPPフィルム開発
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:東レ

 東レは、電動自動車(xEV)向け車載コンデンサ用の高耐熱・高耐電圧二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン 新世代グレード」を開発、本格生産を開始したと発表した。コンデンサをxEVのパワーコントロールユニット(PCU)に適用することで、PCUの小型化、耐熱性向上、高効率化が可能となり、xEVの設計自由度や燃費の向上に貢献する。

 「トレファン」はプラスチックフィルムの中でも軽く、強靱性・電気特性・機械的特性に優れ、一般工業用・包装材料用・コンデンサ用などとして広く利用されている。主用途のフィルムコンデンサは、家電・IT機器向け電子部品のほか、xEVに用いられ急成長している。
 
 「トレファン新世代グレード」は、OPPフィルムの結晶構造と非晶構造を独自技術によりナノレベルで精密制御する「高強度化コンセプト」で、高温での構造安定性を飛躍的に高め、高耐熱・高耐電圧性を実現した。従来品と比べて高温(125℃)の耐電圧性は約15%、耐熱温度は5℃以上向上し、耐熱性・薄膜化による大幅な小型化に寄与し、自動車の設計自由度や燃費向上に貢献する。
 
 同社は車載コンデンサ用フィルムの今後の更なる需要拡大に対応するため、2022年の稼働開始をめどに土浦工場(茨城県)の生産設備を増設し、生産能力を現行比1.6倍にする計画だ。環境負荷の低減に貢献するxEVの主要部材として、成長市場の取り込みを図る。